何処吹く風


何処吹く風


世暮れ間近人の心猶も荒び
独り独り世間出ては帰らぬ人
絡む糸を切りに切りて啖呵を切り
急ぎ過ぎる人は何に縋って居る
雉も鳴かずば撃たれまい
人は言わずに居られまい
文句文句を言えばしたり顔
言わずもがなさえ何処吹く風

何処に居るか自分さえも見失う時
人の心何故か悪に染まって逝く
一世だから何をしても良いのだろう
知らぬ人が又遣らかす此の世だった
雉も遣らずば撃たれまい
人は遣らずに居られまい
彼れも此れも為出かし知らぬ顔
遣らずもがなさえ何処吹く風

根掘り葉掘り訊ねて仏顔
訊かずもがなさえ何処吹く風


本歌
石川さゆり
「何処吹く風」